あっという間に借金地獄に?仮想通貨取引の危険性とは

あっという間に借金地獄に?仮想通貨取引の危険性とは

117view

2018.08.11

 
 
 
  
 

 
 
 
 
 
 

新たな投資対象として仮想通貨が注目を集めています。特に2017年には海外だけでなく日本国内の取引所も充実してきたこともあり、「仮想通貨元年」とも言われるほどのブームになったことはご存知の方も多いでしょう。しかし、投資は誰でも簡単に儲けられるほど甘いものではありません。それどころか、一瞬で借金地獄に陥ってしまう危険すらあるのです。

 
 
もちろん、必要な知識を身につけて安全な方法で取引を行えば、とても魅力的な投資対象です。最悪の事態を避けるためにも、ここでは基本的な取引の仕組みや注意点、そして「いざ」という時の対策について解説していきます。

 
 

仮想通貨取引の基本的な仕組みとは

 
 

仮想通貨とはブロックチェーン技術を利用した暗号通過(Crypto Currency)のことで、簡単に言えば暗号化されたデジタル通貨です。特に、ビットコインが大きく値上がりしたことで一般の投資対象として注目を集めました。しかし、実際にビットコインで大儲けをするにはかなり初期の段階から保有していなければ計算上は不可能なはずです。それでも2017年には、一般の会社員などでもビットコインで億単位の資産形成に成功した人たちが次々と報道されました。このようなことが可能になるのは、「証拠金取引」という仕組みがあるためです。これは株の取引で言われる「信用取引」と基本的には同じ仕組みです。

 
 

証拠金取引では、証拠金として証券会社などに入金している金額の一定の倍率(レバレッジ)の金額で取引ができます。レバレッジとはもともと「てこ」という意味で、「てこの原理」のように少ない資金で大きな金額を動かすことが可能になります。例えばレバレッジが20倍まで可能な取引所の場合、500万円の資金でなんと1億円もの売買が可能ということです。当然ながら、利益も20倍になります。例えば、通貨などが10%値上がりした場合、500万円の資金では利益が50万円です。このケースで20倍のレバレッジを用いて取引をすると、利益は1000万円という計算になります。元手が500万円にもかかわらず、10%の値上がりで資産が3倍にもなってしまうのが証拠金取引の威力です。

 
 

仮想通貨で億万長者になった人の多くは、証拠金取引を行いレバレッジの力を最大限に利用しています。また、多くの主要な仮想通貨はある程度値上がりしてしまっており、多少の暴落があっても初期のような価格に戻ることはほとんど期待できません。そのため、今から取引に参入して大きな利益を狙うのであれば、ある程度のレバレッジを掛けて取引することが必要になります。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

証拠金取引の注意点とは

 
 

証拠金取引の実態を理解するためには、少し前に大ブームとなったFX(外国為替証拠金取引)を振り返っておく必要があります。FXのブームが沈静化した理由の一つに、「レバレッジ規制」が挙げられます。レバレッジが高ければ手持ちの資金が少ない場合でもダイナミックな取引が可能で、誰もが一攫千金の夢を見ることができました。しかし、投資においてはリターンがあるところに必ずリスクがあります。つまり、期待できる金額が大きいほど損をする可能性のある金額も大きくなるということです。

 
 

そのため、利用者の保護を理由として、レバレッジ規制が金融庁から日本国内の証券会社に対して通達されました。実際、レバレッジ規制が行われる前の2010年まではレバレッジが最大400倍という証券会社が多くありました。1億円の売買を行うのに必要な資金はわずか25万円という時代です。ここまでレバレッジが大きいと、少し予想と逆の値動きがあるだけですぐにロスカットになってしまい、長期投資などのオーソドクスな手法ではまともな取引ができません。

 
 

そのため、最大400倍で取引するのは投資というよりはギャンブルに近い感覚だったため、すぐに規制されてしまったのです。FXはその後レバレッジ最大50倍という経過措置を経て、現在は25倍に規制されています。これによって一般の投資家は安全に取引が出来るようになりましたが、一方で短期間の間に売買を繰り返すデイトレーダーや、秒単位で売買を繰り返すようなスキャルピングという手法を好むトレーダーは離れていってしまいました。

 
 

仮想通貨の最大レバレッジは取引所によって様々ですが、ビットコインを例に取るとおおむね10倍から25倍です。FXと比較すると同等、または控えめな数字ですが、通貨の性質を考えると最も注意しなくてはいけないポイントの一つです。例えば株と為替でレバレッジが違うのは、価格の変動率がかなり異なることが大きな理由です。誤解されがちですが、FXは非常に変動率が低いためにレバレッジ上げることができたという側面があります。

 
 

例えば米ドル円(USD/JPY)は1時間に1円(100pips)下がれば暴落ということになりますが、元の米ドル円が110円だった場合はわずか1%未満の変動にしか過ぎません。10%動けば市場は大混乱になり、ニュースや新聞でも大きく報道されますが、株であれば10%程度の上下は日常茶飯事です。値幅制限が掛かるいわゆる「ストップ安」は、株価が10000円以上15000円の場合、30.0%から20.0%です。

 
 

片や、仮想通貨の場合は1日に20%程度の価格変動は当たり前です。もちろん、このダイナミックな値動きが仮想通貨取引の醍醐味の一つですし、そこに魅力を感じて市場に参入するトレーダーが多いことも事実です。しかし、このような激しい値動きにFX同等のレバレッジを掛けて取引をすることは非常に大きなリスクを伴います。価格変動の激しい株の信用取引の場合、取引できる金額は担保の評価額の約3.3倍にしか過ぎませんし、信用取引口座を開設する際にはきちんとした審査を通る必要もあります。仮想通貨の証拠金取引は、「初心者には危険」と言われる株の信用取引よりもはるかにハイリスクであることを理解しておくことが大切です。”

 
 

損失どころか借金まで発生する理由とは

 
 

レバレッジを効かせた証拠金取引では、手元の資金以上の損失を被る危険があります。大きく動けば資産の倍を稼ぐことができる以上、原理的には逆に大きく動けば資産の倍を損する危険があるという理屈になります。この時に資産はマイナスになってしまっていますが、このマイナスの分は証券会社に支払わなくてはなりません。これは「追証(おいしょう)」と呼ばれ、追加の保証金を差し入れるという意味です。信用取引が危険と言われてきた理由は、この追証にあります。

 
 

例えば、株の場合現物売買であれば会社が倒産し株が紙切れになってしまったとしても、資産がゼロ円になるだけで借金は一切発生しません。しかし、これが信用取引の場合で担保の最大3.3倍買っていたのであれば、担保では当然足りないために差額を差し入れる必要があるわけです。また、この場合は損失の最大額についても注意しておく必要があります。信用取引で買い(ロング)のポジションを立てていた場合、価値がゼロ円となった場合の差額分が損失の最大額です。しかし、売り(ショート)のポジションを立てていた場合は損失が無限大になる可能性があります。

 
 

これはあくまで理論上の話ですが、株はともかくオプションなどの取引では大前提となっていることです。仮想通貨のような値動きが激しい商品にレバレッジを掛ける場合も、この追証の可能性は常に頭の片隅に置いておくことが大切です。FXが身近になった結果、証拠金取引自体もすっかり一般化していますが、追証リスクは変わらず存在しているのです。

 
 

もちろん証券会社もこのような危険な状態を放置しているわけではなく、きちんと安全装置が設置されています。顧客の保護を目的としているのはもちろんのことですが、追証を回収することもコストが掛かるからです。しかし、この安全装置も万全ではありません。デジタル技術の結晶である仮想通貨といえども、マーケットという生き物の中で取引がなされます。悪条件が重なるとこの安全装置が働かず、損失を出して資金を無くすどころか追証が発生し、借金地獄という結果となってしまうのです。”

 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

安全装置が壊れるケースとは

 
 

仮想通貨に限らず、証拠金取引の安全装置は一般的に「証拠金維持率」をもとに発動されます。追加証拠金を差し入れることでロスカットを回避するシステムを備えた証券会社もありますが、一般的には自動の「ロスカット」という形で処理されます。証拠金維持率は70%から80%程度が一般的ですが、なかには維持率50%まで持ちこたえる業者もあります。

 
 

最大レバレッジが同じでも、業者によってロスカット時の維持率が異なるケースも多いため、事前にしっかりと把握しておく必要があります。通常のマーケットの動きではこの安全装置は何の不安もなく作動します。しかし、急騰・急落などの相場急変動時には処理が遅れる可能性もゼロではありません。もちろんこれは証券会社のシステムに依存するものなので、大手などしっかりとした評判の良い業者を選択しておけば安心です。

 
 

しかしながら、仮想通貨取引でロスカット機能が働かず、莫大な損失を被り追証を請求されているという事例がネットやSNSで話題になっています。約1100万円の資金を仮想通貨で運用していたものの、約1600万円の損失というケースです。最終的に証拠金が-450万円となり、追証という結果でした。安全装置が働かなかった理由は、「サーキットブレーカー(Circuit Breaker)」です。マーケットにおいて価格が一定以上の変動を起こした場合、強制的に取引停止の措置を行うというもので、主に株式市場や先物市場で用いられています。

 
 

FXしか経験の無い方にはあまりなじみがない用語ですが、株式市場などで「売りが売りを呼ぶ」などのパニック相場を一旦停止し、投資家に冷静になってもらうことを目的としています。今回のケースではビットコインの暴落時にサーキットブレーカーが発動したため、一切の操作が不可能となってしまい手動による損切りさえできなかったことが原因です。この間自動ロスカットも作動せず、恐ろしいほどに値が落ちてからようやくロスカットという結末でした。

 
 

もちろん、自動ロスカットが働かなかったことはシステムの不備という可能性もあります。最悪の事態で安全装置が働かないのであれば、安全装置の意味がありません。この点については追求していく余地がありますが、少なくともこれから仮想通貨取引を始めようと考えている方やすでに始めている方は、「こういう危険がある」ということを自分の安全のために考慮しておく必要があります。同時に、株式市場やFXなどで既に起こった危険な場面も仮想通貨市場で当然起こりうるということを折り込んでおくことが大切です。

 
 

FXではリーマンショックやギリシアショックで大きな価格変動が起こりましたが、約定しなかったり価格が恐ろしいほどずれたり(「滑る」と表現します)、大きな損失を出した投資家が続出しました。また、システムの不備による「バッドティック」というありえない価格提示によって損失を被るケースもあります。システムの不備が証明されれば損失は返還されますが、それを証明するには個人では途方も無い労力が必要です。

 
 

大切なのはリスクを知り、冷静に行動すること

 
 

追証の例に限らず、仮想通貨などのトレードには常にリスクが潜んでいます。最近は多様な働き方やライフスタイルを目指し、副業として仮想通貨などの証拠金取引を始める人が増えています。しかし、トレード一般や証拠金取引の仕組みやリスクについて十分に理解しないまま高額な取引をすることは極めて危険な行為です。収入や資産を増やすはずが借金地獄に陥ってしまうことは言うまでもなく本末転倒です。儲かった話はメディアなどで大きく採りあげられるものの、現実はそれ以上に損失に苦しむ人が多くいます。株式の信用取引や先物取引のような審査もないため、参入のハードルが低すぎることも一因です。
 
 

しかし、投資はあくまで「自己責任」であるため、自分の身は自分で守るしかありません。初心者の方の場合は、小額から始めたりデモ取引で十分に練習を積んでから始めることが大切です。また、大きな損失を出した場合、冷静さを失ったままにトレードで負けを取り返そうと考えることが最も危険です。自ら借金地獄に飛び込むようなものです。これは行動経済学でも証明されており、トレードの基本ともいえるポイントです。もし日常生活にも支障をきたすような損失を出した場合は、「休むも相場」です。

 
 
 
 

まとめ

 
 

このように、仮想通貨取引の多くは証拠金取引という方法を採っており、レバレッジの仕組みについて十分に理解してから取引を始めることが大切です。少ない資金でも大きな利益を期待できることは大きな魅力ですが、ハイリターンを得ることが可能な取引には常にハイリスクが潜んでいるということに注意が必要です。相場の読みが外れた場合の単純な損失だけでなく、サーキットブレーカーが発動するような大混乱もリスクとして想定しておくことが重要なポイントです。事前に知識を整理しておくことで、いざという時でも落ちついて対処できるようになります。

 
 

最後に、トレードは自己責任とはいっても、最悪の結果の場合はすぐに法律の専門家に相談することが大切です。特にトレードで出した損失は一般の債務と扱いが異なるケースが多くあります。債務整理などを行う際は、経験やノウハウを持っている専門家に相談する必要があります。不安は一人で抱えず、債務整理など法律の専門家に相談して生活を立て直すことをおすすめします。”

 
 
 
 

このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪

みんなに役立つ情報をお届けします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

おすすめ法律事務所を探す

あわせて読みたい関連コラム

掲載中のコラムを見る