時効援用の条件をクリアしていると借金返済の義務はなくなる?

時効援用の条件をクリアしていると借金返済の義務はなくなる?

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2018.10.17

 
 
 
 

 
 
 
 

借金をした場合、返済義務は永久につきまとうというわけではありません。一定の条件下で、債権者に対し時効援用の通知を送ると返済義務はなくなります。援用通知の書き方はそれほど難しいものではありません。ちゃんと書けるか不安ということであれば、行政書士に代書してもらうことも可能です。
多重債務に悩まされていて、いくつかの債務は長期間、返済していないというのであれば時効の援用が可能なのか確認すべきでしょう。

 
 

時効援用が可能になる条件とは

 
 

具体的に時効援用の条件とはどのようなものでしょうか。銀行、クレジットカード、消費者金融などの営利企業が発行したカードを使ってキャッシングした場合ですが、最後の取引から5年が経過すると援用できるということになっています。最後の取引がなにを指すのかというのは、基本的に最後の返済です。たとえば、ある年の4月1日に返済後、一切、お金を返さなくなった場合、5年後の4月2日から援用が成立するということになるでしょう。
 
 

ただ、実際に援用を行う場合、5年ぴったりで債権者に通知を送ることはほとんどありません。というのは、なんらかの理由で時効へのカウントが中断している可能性があるからです。たとえば、債権者がどこかのタイミングで債務者に対し、裁判所を通じて支払督促を送っていた場合、そこで止まりますし、内容証明郵便で督促を行った場合でもやはり停止します。そのような停止期間があったということを前提にして、最後の取引から6、7年経って援用通知を送ることも珍しくありません。
 
 

ここまで余裕を持って通知を送れるのは、時効の援用ができそうな債務というのは、債権者から存在しないものと扱われている可能性が高く、厳しい督促をしてこないことが多いからです。債務者からすると、督促がまったくないので借金をしているというプレッシャーをあまり感じず、焦って援用通知を送る必要がないため、十分な期間を空けられるわけです。
 
 

督促がないならずっと放置していてもいいのではと考える人もいるかもしれませんが、時効にできるならした方がいいです。なぜかというと、時効にすれば、信用情報会社のデータから時効になった債務の事故情報がいずれ削除されるからです。放置したままだといつまでも消えないため、新しくクレジットカードを作ったりすることはほぼ不可能です。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

時効援用可能な条件を満たしていても通知を送らない限りは時効にならない

 
 

ずっと連絡がなかった債権者に対して、わざわざ自分の方から通知を送るというのはやぶ蛇になりそうで怖い、本当に借金の返済義務はなくなるのか?と不安に思う人も多いでしょう。この件について、時効が成立するのであれば間違いなく返済義務はなくなります。ただ、最後の取引から5年経つと自動的に時効になって返済義務がなくなるわけではありません。債権者に援用通知を送る、つまり、「私は時効という制度を使いたい」と債権者に宣言しないと成立しないのです。したがって、債権者に連絡するのが怖くて通知を送らないと、10年経とうが20年経とうが時効にはなりません。
なぜ、わざわざ債権者に時効制度を利用すると宣言しなければならないのかというと、中には、どんなに時間がかかっても借金を返したいという人が存在するからです。そういう人にとって、最後の返済から5年経つと勝手に債務が時効になってしまうというのは困ります。

 
 

時効援用のシステムを知らないと返済しなくても済んだ借金を返す羽目になることも

 
 

債権者に宣言しないと時効が成立しないというシステムは、債務者の返済意思を尊重しようというものですが、このシステムを利用して、無知な債務者を相手に古い債権を使って利益を得ようという会社も存在します。
たとえば、最後の取引から10年以上経っている債権というのは、貸金業者にとって持っていてもほとんど価値がありません。そのため、売却して少しでも回収を図ります。購入する会社は、援用が通知されれば時効になる債権だということで安く買いたたき、その債権に遅延損害金を上乗せして債務者に督促状を送ったり、あるいは債務者の自宅を訪問します。
 
 
債権者から督促がなかったため借金を放置していた債務者は、10年以上ぶりに督促を受け、また上乗せされた遅延損害金の多さに驚いて、督促状を送ってきた会社に電話したり、あるいは家にやってきた業者に少しでも返済してしまいますが、古い債権を買う会社はそれが狙いなのです。電話で借金の存在を認め、「これから少しずつ返済します」と言ったり、あるいは実際に100円でもお金を返してしまうとリセットされます。そこが新たな「最後の取引日」になるからです。つまり、そこから5年経たないと時効の援用はできません。
したがって、ずっと昔の債権の督促状が送られてきた場合、差出人に連絡したり、督促状に記されている口座に入金したりする前に、弁護士などの専門家に相談してベストな対応を考えた方がいいでしょう。

 
 

任意整理や自己破産をする前に時効の援用が可能な債務はないか確認しよう

 
 

多重債務を抱えていて、任意整理などを考えているのであれば、時効にできる債務はないか必ずチェックすべきです。もしあれば、その債務は任意整理の対象にする必要がなくなるため、弁護士や司法書士に支払うべき報酬を減らせます。
また、借金をしたあと、失踪するなどしてすべての債務を長期間返済していない場合は、自己破産ではなく時効の援用を行うことで、借金の返済義務をわずかな金額でなくすことができます。

 
 

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