奨学金が返済できない場合自己破産という選択肢を選ぶべきか

奨学金が返済できない場合自己破産という選択肢を選ぶべきか

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2018.09.03

経済的な事情で進学を諦めたくない時に便利な制度が、学費の貸与を受けることができる奨学金です。貸与を受けた学費は、社会人になってから働きながら返していきます。ただ、様々な事情で返済が困難な状況に陥ることは珍しくありません。返済ができなくなると、延滞金などが発生し更に生活が追い詰められていくことになります。こうした状況を改善するために有効な方法が、債務整理です。自己破産を始めとした債務整理について、簡単に説明します。

奨学金は返さなくてはいけない

奨学金を利用したら発生するのが、返済義務です。給付型など返す義務がない奨学金もありますが、社会人になれば返済が始まることが殆どです。良い企業に就職し、安定した収入を得ることができるようになった人であれば、無理なく返済をしていくこともできるでしょう。しかし、思うように就職ができない人もいれば仕事はあっても手取りが少なく生活をしていくだけで精一杯という状況になる人もいます。実際に、返済が困難と感じる人は増加傾向にあります。

ただ、経済的事情があったとしても踏み倒すことは許されず、返済義務がなくなることもありません。そのため、貸与を受けた奨学金というのは完済まで返し続けていく必要があります。返済が滞れば、一般的な借金と同じように延滞金が発生する他、裁判や差し押さえの対象となってしまうことあるので注意が必要です。延滞金は、無利子の奨学金に対しても発生します。そのため、奨学金を利用する時には、返済のことまでしっかりと考えておくことがおすすめです。そして、万が一返済が難しくなった場合の対処法まで確認しておいて損がありません。そんな対処法のひとつが、自己破産です。

自己破産ってどんな手続き?

自己破産というのは、頑張ってもお金を返すことができない状況に陥った時に行う手続きで、免責が認められると借金の返済義務がなくなります。ただ、処分することができる家や車などを持っていればそれらを手放し借金の返済にあてる必要があります。それ以外にも、弁護士や税理士、警備員などいくつかの職業は手続きを始めてから免責が認められるまでの間は仕事に就けなくなる、信用情報に事故情報が記載されるなど、デメリットも多い手続き方法です。そのため、デメリットまで考えて手続きを行う必要がありますが、免責が認められれば借金の悩みから完全に解放されることになります。

自己破産は、奨学金にも有効な手続きです。奨学金の返済が滞るようになった場合、そのまま放置をしていると督促状が届き差し押さえなどが始まる可能性が出てきます。更に、滞納を続けていると増え続けるのが延滞金です。元金が減らず延滞金が増え続ければ、ますます返済が困難な状況になるという悪循環に陥ることになります。そのため、返済が難しくなった場合は放置をせずにできる対策をしておくことが大切です。

収入や生活が落ち着けば、返済できる見込みがある場合は利用先に相談をして猶予を受けるという方法もあります。申請手続きなどが必要になりますが、猶予が認められ返還期限を延ばすことができれば、その間にも生活の立て直しをしていくことができます。経済的困難や失業中などの事情があって返済が難しい状態に陥っているのであれば、猶予申請をすることができるかどうかの確認から始めてみると良いでしょう。猶予申請の条件に当てはまらない場合や、これからどう頑張っても返済できる見込みがないのであれば、奨学金自己破産を考えてみるのも有効です。免責が認められれば、奨学金の返済義務が完全になくなります。実際に、返済が困難になり自己破産を選ぶ人は少なくありません。

自己破産のデメリットの確認

実際に奨学金自己破産を選ぶ場合、まず考えておきたいのがデメリットが生活に及ぼす影響です。自己破産のなかでも特に大きなデメリットとなるのが、財産を手放す必要があることです。持ち家を持っている人であれば、その家を手放し新たな住居を探す必要が出てきます。返済に困っている状況で、賃貸物件を借りたり引っ越しをしたりするというのは大きな負担となります。ただ、手放す必要があるのは、自分名義の財産です。自分名義や家族との共有名義の財産を所持していないのであれば、自己破産によって家や車を手放す必要はなくなります。奨学金自己破産を選ばなければいけない状況になった場合は、まず財産の名義などを確認しておくと良いでしょう。

士業など一部の職業は免責許可がおりるまでの間、仕事ができなくなるため一時的に収入が途絶えてしまうことになります。ただ、対象となる職業以外は問題なく仕事を続けていくことができるので、特別な職業に就いていない限り職を失うという心配はありません。士業などの場合も、免責が認められれば仕事に復帰することが可能です。

自己破産を行うと、信用情報に事故情報という形で記載されることになります。この事故情報が記載されている間は、クレジットカードやカードローンなどの審査には通りません。事故情報というのは、一度記載されれば一生消えないものではなく一定期間が過ぎれば自然と消えていきます。自己破産の場合は、消えるまで10年程度の期間が必要になることが多く、この期間内は新たな借入をすることができません。事故情報が消えたかどうかは、開示請求を行うことによって確認可能です。事故情報が完全に消えていれば、信用情報が原因でクレジットカードなどの審査に落ちる心配がなくなります。

これ以外にも現金は99万円、預貯金は20万円までしか手元に残すことができない、官報に名前が記載されることも自己破産のデメリットとなります。ただ、官報というのは人目に触れる機会が少ないもののため、記載をされても生活に影響が出ることは殆どありません。これらが、一般的なデメリットとなりますが奨学金自己破産の場合は、もう一つしっかりと考えておかなければいけないことがあります。それが、保証人の存在です。

自己破産と保証人

奨学金を利用する時には、保証人と連帯保証人が必要なことが殆どです。借りた本人が返済できない状況に陥ると、保証人や連帯保証人に支払いの請求が届くことになります。保証人は奨学金に関する請求が届いても支払い拒否の主張をすることができるのに対し、連帯保証人は拒否をすることができません。そのため、請求がくれば否応なしに応じる必要があります。返済が滞った時だけでなく、自己破産の手続きが行われた時にも同じように保証人に請求がくることになります。保証人や連帯保証人がいる状態で、借金をした人のみが自己破産手続きを行った場合、本人の返済義務はなくなっても保証人の義務が消えることはありません。そのため、自己破産の手続きが始まると、保証人や連帯保証人に督促が始まります。一括返済を求められることも多く、保証人になってくれた人には大きな迷惑がかかります。

保証人と連帯保証人がいることが殆どの奨学金自己破産の場合、一人で自己破産の手続きをすると周りの人に多大な迷惑をかけてしまうことになります。そのため、返済が困難になり追い詰めらた状態になっている場合でも一人で自己破産の手続きを始めるのではなく、まずは保証人と連帯保証人に相談をすることが大切です。奨学金の保証人や連帯保証人で多いのは、親や親戚です。保証人や連帯保証人に、奨学金を返済できるだけの財力があれば、立替えをして貰うのも良いでしょう。一時的に迷惑をかけることになりますが、時間をかけてそのお金を返していけば関係の修復も可能です。返済が滞ったら、その時点で保証人と連帯保証人に連絡をして請求がくる可能性があることを伝えておくと良いでしょう。事前連絡をしておけば、請求がきた時に慌てずに対応して貰うことができます。立替えを了承して貰うことができたら、その時点でこれから先の返済についても話し合いまでしておくことがおすすめです。親戚に立替えをお願いする場合は、親同士の付き合いなどにも大きな影響を与えてしまうことがあります。それだけに、よく話し合い関係がこじれないようにしておくことが大切です。

借りた本人だけでなく保証人や連帯保証人にも返済をする余裕がなく自己破産の手続きを考えるしかない場合は、全員揃って手続きを始める必要があります。全員の免責が認められれば、それ以上奨学金の返済を求められることはありません。ただ、保証人や連帯保証人にも自己破産のデメリットが大きくのしかかることになります。奨学金返済中の人であれば、まだ家や車などの財産を所有していないことも多いでしょう。この場合は、財産の処分というデメリットが発生することなく自己破産の手続きを行うことができます。しかし、親の世代になると持ち家や車など処分可能な財産を所収していることも多くなります。

全員が揃って自己破産を行うためには、財産を持っている人は処分をして返済にあてなければ手続きを進めていくことができません。保証人や連帯保証人が1人で生活をしており、財産を手放すことにも納得してくれるのであれば自己破産を考えることは可能です。ただ、相手に家族がいる場合は財産の処分によって周りの人にまで多大な迷惑をかけてしまうことになります。持ち家でない場合にしても、保証人になっている人が士業などについていれば仕事や収入に影響を与えてしまいます。そして、自己破産をすれば信用情報に事故情報が記載されるため、新たな借入もしばらく行うことができません。そのため、一緒に自己破産を選んで貰うときには、保証人や連帯保証人本人だけでなくその家族にも迷惑がかからないかをしっかりと考えておくことが大切です。

自己破産以外の方法

債務整理には将来分の利息をカットすることで返済しやすい状態を作る任意整理、借金を大幅に減額をすることができる個人再生という方法もあります。どちらも、デメリットが少ない債務整理として知られています。ただ、それは保証人が存在しない場合のみの話です。保証人がいなければ、信用情報に事故情報が記載される程度のデメリットのみで借金の減額措置を受けることができます。しかし、保証人がいる状態で手続きを行うと、保証人に返済義務が降りかかり迷惑をかけてしまうことになります。これらの債務整理は、奨学金に関して手続きを行うことも可能です。

しかし、任意整理を行っても奨学金は元々の利息が低いため減額される金額はほんの僅かで、個人再生に関しては100万円を大幅に超える金額でなければメリットは少なくなります。その上、保証人に大きな迷惑をかけるのであればわざわざ手続きを行うメリットは殆どありません。それでも手続きを考えたいのであれば、事前に保証人と連帯保証人に話をしておくことが大切です。手続きが始まれば、督促状が届くことが殆どのため、黙って債務整理を行うことは不可能と考えておく方が良いでしょう。いずれ分かることで、迷惑をかけることが決まっているのであれば事前にしっかりと話しをしておくことがおすすめです。

債務整理は専門家に

保証人と相談をして、自己破産などの債務整理を行った方が良いという結論に達した場合は弁護士などの専門家に相談をしてみると良いでしょう。専門家の意見を聞くことによって、考えている債務整理が適切かどうか実際にどんなデメリットが発生するかなどを確認することができます。相談をすることによって、解決のための新たな糸口が見つかることもあります。弁護士といえば、相談料だけでも高額というイメージを持つ人もいるでしょう。

しかし、自己破産などの債務整理に関しては無料相談を行っている事務所も多く、気軽に相談できるようになっています。カードローンなどの借金は勿論、奨学金の債務整理に関しても相談可能となっていることが殆どです。そのため、悩みを抱えているのであればまずは専門家の意見を聞いてみると良いでしょう。自己破産にかかる費用は事務所によっても異なりますが、少なくとも30万円から40万円は必要となります。費用面に関する不安がある場合は、分割払いが可能な事務所を選ぶことがおすすめです。それによって、支払いに関する不安が少ない状態で手続きに関する相談ができます。

まとめ

奨学金が返せなくなった場合、自己破産を選ぶという方法もありますが、保証人がいる場合はしっかりと相談をしておくことが大切です。手続きを行った場合、どの程度迷惑をかけるかをしっかりと確認し合った上で、最善の解決策を選ぶことがおすすめです。

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